債権とは?/ セントラルファイナンス
[ 487] 民法 第三編 債権
[引用サイト] http://www.ron.gr.jp/law/law/minpo_sa.htm
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第四百条 債権の目的が特定物の引渡しであるときは、債務者は、その引渡しをするまで、善良な管理者の注意をもって、その物を保存しなければならない。 第四百一条 債権の目的物を種類のみで指定した場合において、法律行為の性質又は当事者の意思によってその品質を定めることができないときは、債務者は、中等の品質を有する物を給付しなければならない。 2 前項の場合において、債務者が物の給付をするのに必要な行為を完了し、又は債権者の同意を得てその給付すべき物を指定したときは、以後その物を債権の目的物とする。 第四百二条 債権の目的物が金銭であるときは、債務者は、その選択に従い、各種の通貨で弁済をすることができる。ただし、特定の種類の通貨の給付を債権の目的としたときは、この限りでない。 2 債権の目的物である特定の種類の通貨が弁済期に強制通用の効力を失っているときは、債務者は、他の通貨で弁済をしなければならない。 第四百三条 外国の通貨で債権額を指定したときは、債務者は、履行地における為替相場により、日本の通貨で弁済をすることができる。 第四百五条 利息の支払が一年分以上延滞した場合において、債権者が催告をしても、債務者がその利息を支払わないときは、債権者は、これを元本に組み入れることができる。 第四百八条 債権が弁済期にある場合において、相手方から相当の期間を定めて催告をしても、選択権を有する当事者がその期間内に選択をしないときは、その選択権は、相手方に移転する。 第四百九条 第三者が選択をすべき場合には、その選択は、債権者又は債務者に対する意思表示によってする。 2 前項に規定する場合において、第三者が選択をすることができず、又は選択をする意思を有しないときは、選択権は、債務者に移転する。 第四百十条 債権の目的である給付の中に、初めから不能であるもの又は後に至って不能となったものがあるときは、債権は、その残存するものについて存在する。 第四百十一条 選択は、債権の発生の時にさかのぼってその効力を生ずる。ただし、第三者の権利を害することはできない。 第四百十二条 債務の履行について確定期限があるときは、債務者は、その期限の到来した時から遅滞の責任を負う。 2 債務の履行について不確定期限があるときは、債務者は、その期限の到来したことを知った時から遅滞の責任を負う。 3 債務の履行について期限を定めなかったときは、債務者は、履行の請求を受けた時から遅滞の責任を負う。 第四百十三条 債権者が債務の履行を受けることを拒み、又は受けることができないときは、その債権者は、履行の提供があった時から遅滞の責任を負う。 第四百十四条 債務者が任意に債務の履行をしないときは、債権者は、その強制履行を裁判所に請求することができる。ただし、債務の性質がこれを許さないときは、この限りでない。 2 債務の性質が強制履行を許さない場合において、その債務が作為を目的とするときは、債権者は、債務者の費用で第三者にこれをさせることを裁判所に請求することができる。ただし、法律行為を目的とする債務については、裁判をもって債務者の意思表示に代えることができる。 3 不作為を目的とする債務については、債務者の費用で、債務者がした行為の結果を除去し、又は将来のため適当な処分をすることを裁判所に請求することができる。 第四百十五条 債務者がその債務の本旨に従った履行をしないときは、債権者は、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。債務者の責めに帰すべき事由によって履行をすることができなくなったときも、同様とする。 第四百十六条 債務の不履行に対する損害賠償の請求は、これによって通常生ずべき損害の賠償をさせることをその目的とする。 2 特別の事情によって生じた損害であっても、当事者がその事情を予見し、又は予見することができたときは、債権者は、その賠償を請求することができる。 第四百十八条 債務の不履行に関して債権者に過失があったときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の責任及びその額を定める。 第四百十九条 金銭の給付を目的とする債務の不履行については、その損害賠償の額は、法定利率によって定める。ただし、約定利率が法定利率を超えるときは、約定利率による。 第四百二十条 当事者は、債務の不履行について損害賠償の額を予定することができる。この場合において、裁判所は、その額を増減することができない。 第四百二十一条 前条の規定は、当事者が金銭でないものを損害の賠償に充てるべき旨を予定した場合について準用する。 第四百二十二条 債権者が、損害賠償として、その債権の目的である物又は権利の価額の全部の支払を受けたときは、債務者は、その物又は権利について当然に債権者に代位する。 第四百二十三条 債権者は、自己の債権を保全するため、債務者に属する権利を行使することができる。ただし、債務者の一身に専属する権利は、この限りでない。 2 債権者は、その債権の期限が到来しない間は、裁判上の代位によらなければ、前項の権利を行使することができない。ただし、保存行為は、この限りでない。 第四百二十四条 債権者は、債務者が債権者を害することを知ってした法律行為の取消しを裁判所に請求することができる。ただし、その行為によって利益を受けた者又は転得者がその行為又は転得の時において債権者を害すべき事実を知らなかったときは、この限りでない。 第四百二十六条 第四百二十四条の規定による取消権は、債権者が取消しの原因を知った時から二年間行使しないときは、時効によって消滅する。行為の時から二十年を経過したときも、同様とする。 第四百二十七条 数人の債権者又は債務者がある場合において、別段の意思表示がないときは、各債権者又は各債務者は、それぞれ等しい割合で権利を有し、又は義務を負う。 第四百二十八条 債権の目的がその性質上又は当事者の意思表示によって不可分である場合において、数人の債権者があるときは、各債権者はすべての債権者のために履行を請求し、債務者はすべての債権者のために各債権者に対して履行をすることができる。 第四百二十九条 不可分債権者の一人と債務者との間に更改又は免除があった場合においても、他の不可分債権者は、債務の全部の履行を請求することができる。この場合においては、その一人の不可分債権者がその権利を失わなければ分与される利益を債務者に償還しなければならない。 2 前項に規定する場合のほか、不可分債権者の一人の行為又は一人について生じた事由は、他の不可分債権者に対してその効力を生じない。 第四百三十条 前条の規定及び次款(連帯債務)の規定(第四百三十四条から第四百四十条までの規定を除く。)は、数人が不可分債務を負担する場合について準用する。 第四百三十一条 不可分債権が可分債権となったときは、各債権者は自己が権利を有する部分についてのみ履行を請求することができ、不可分債務が可分債務となったときは、各債務者はその負担部分についてのみ履行の責任を負う。 第四百三十二条 数人が連帯債務を負担するときは、債権者は、その連帯債務者の一人に対し、又は同時に若しくは順次にすべての連帯債務者に対し、全部又は一部の履行を請求することができる。 第四百三十三条 連帯債務者の一人について法律行為の無効又は取消しの原因があっても、他の連帯債務者の債務は、その効力を妨げられない。 第四百三十五条 連帯債務者の一人と債権者との間に更改があったときは、債権は、すべての連帯債務者の利益のために消滅する。 第四百三十六条 連帯債務者の一人が債権者に対して債権を有する場合において、その連帯債務者が相殺を援用したときは、債権は、すべての連帯債務者の利益のために消滅する。 2 前項の債権を有する連帯債務者が相殺を援用しない間は、その連帯債務者の負担部分についてのみ他の連帯債務者が相殺を援用することができる。 第四百三十七条 連帯債務者の一人に対してした債務の免除は、その連帯債務者の負担部分についてのみ、他の連帯債務者の利益のためにも、その効力を生ずる。 第四百三十八条 連帯債務者の一人と債権者との間に混同があったときは、その連帯債務者は、弁済をしたものとみなす。 第四百三十九条 連帯債務者の一人のために時効が完成したときは、その連帯債務者の負担部分については、他の連帯債務者も、その義務を免れる。 第四百四十条 第四百三十四条から前条までに規定する場合を除き、連帯債務者の一人について生じた事由は、他の連帯債務者に対してその効力を生じない。 第四百四十一条 連帯債務者の全員又はそのうちの数人が破産手続開始の決定を受けたときは、債権者は、その債権の全額について各破産財団の配当に加入することができる。 第四百四十二条 連帯債務者の一人が弁済をし、その他自己の財産をもって共同の免責を得たときは、その連帯債務者は、他の連帯債務者に対し、各自の負担部分について求償権を有する。 2 前項の規定による求償は、弁済その他免責があった日以後の法定利息及び避けることができなかった費用その他の損害の賠償を包含する。 第四百四十三条 連帯債務者の一人が債権者から履行の請求を受けたことを他の連帯債務者に通知しないで弁済をし、その他自己の財産をもって共同の免責を得た場合において、他の連帯債務者は、債権者に対抗することができる事由を有していたときは、その負担部分について、その事由をもってその免責を得た連帯債務者に対抗することができる。この場合において、相殺をもってその免責を得た連帯債務者に対抗したときは、過失のある連帯債務者は、債権者に対し、相殺によって消滅すべきであった債務の履行を請求することができる。 2 連帯債務者の一人が弁済をし、その他自己の財産をもって共同の免責を得たことを他の連帯債務者に通知することを怠ったため、他の連帯債務者が善意で弁済をし、その他有償の行為をもって免責を得たときは、その免責を得た連帯債務者は、自己の弁済その他免責のためにした行為を有効であったものとみなすことができる。 第四百四十四条 連帯債務者の中に償還をする資力のない者があるときは、その償還をすることができない部分は、求償者及び他の資力のある者の間で、各自の負担部分に応じて分割して負担する。ただし、求償者に過失があるときは、他の連帯債務者に対して分担を請求することができない。 第四百四十五条 連帯債務者の一人が連帯の免除を得た場合において、他の連帯債務者の中に弁済をする資力のない者があるときは、債権者は、その資力のない者が弁済をすることができない部分のうち連帯の免除を得た者が負担すべき部分を負担する。 3 保証契約がその内容を記録した電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)によってされたときは、その保証契約は、書面によってされたものとみなして、前項の規定を適用する。 第四百四十七条 保証債務は、主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たるすべてのものを包含する。 第四百四十八条 保証人の負担が債務の目的又は態様において主たる債務より重いときは、これを主たる債務の限度に減縮する。 第四百四十九条 行為能力の制限によって取り消すことができる債務を保証した者は、保証契約の時においてその取消しの原因を知っていたときは、主たる債務の不履行の場合又はその債務の取消しの場合においてこれと同一の目的を有する独立の債務を負担したものと推定する。 第四百五十条 債務者が保証人を立てる義務を負う場合には、その保証人は、次に掲げる要件を具備する者でなければならない。 2 保証人が前項第二号に掲げる要件を欠くに至ったときは、債権者は、同項各号に掲げる要件を具備する者をもってこれに代えることを請求することができる。 第四百五十一条 債務者は、前条第一項各号に掲げる要件を具備する保証人を立てることができないときは、他の担保を供してこれに代えることができる。 第四百五十二条 債権者が保証人に債務の履行を請求したときは、保証人は、まず主たる債務者に催告をすべき旨を請求することができる。ただし、主たる債務者が破産手続開始の決定を受けたとき、又はその行方が知れないときは、この限りでない。 第四百五十三条 債権者が前条の規定に従い主たる債務者に催告をした後であっても、保証人が主たる債務者に弁済をする資力があり、かつ、執行が容易であることを証明したときは、債権者は、まず主たる債務者の財産について執行をしなければならない。 第四百五十五条 第四百五十二条又は第四百五十三条の規定により保証人の請求又は証明があったにもかかわらず、債権者が催告又は執行をすることを怠ったために主たる債務者から全部の弁済を得られなかったときは、保証人は、債権者が直ちに催告又は執行をすれば弁済を得ることができた限度において、その義務を免れる。 第四百五十六条 数人の保証人がある場合には、それらの保証人が各別の行為により債務を負担したときであっても、第四百二十七条の規定を適用する。 第四百五十七条 主たる債務者に対する履行の請求その他の事由による時効の中断は、保証人に対しても、その効力を生ずる。 第四百五十八条 第四百三十四条から第四百四十条までの規定は、主たる債務者が保証人と連帯して債務を負担する場合について準用する。 第四百五十九条 保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、過失なく債権者に弁済をすべき旨の裁判の言渡しを受け、又は主たる債務者に代わって弁済をし、その他自己の財産をもって債務を消滅させるべき行為をしたときは、その保証人は、主たる債務者に対して求償権を有する。 第四百六十条 保証人は、主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、次に掲げるときは、主たる債務者に対して、あらかじめ、求償権を行使することができる。 二 債務が弁済期にあるとき。ただし、保証契約の後に債権者が主たる債務者に許与した期限は、保証人に対抗することができない。 三 債務の弁済期が不確定で、かつ、その最長期をも確定することができない場合において、保証契約の後十年を経過したとき。 第四百六十一条 前二条の規定により主たる債務者が保証人に対して償還をする場合において、債権者が全部の弁済を受けない間は、主たる債務者は、保証人に担保を供させ、又は保証人に対して自己に免責を得させることを請求することができる。 2 前項に規定する場合において、主たる債務者は、供託をし、担保を供し、又は保証人に免責を得させて、その償還の義務を免れることができる。 第四百六十二条 主たる債務者の委託を受けないで保証をした者が弁済をし、その他自己の財産をもって主たる債務者にその債務を免れさせたときは、主たる債務者は、その当時利益を受けた限度において償還をしなければならない。 2 主たる債務者の意思に反して保証をした者は、主たる債務者が現に利益を受けている限度においてのみ求償権を有する。この場合において、主たる債務者が求償の日以前に相殺の原因を有していたことを主張するときは、保証人は、債権者に対し、その相殺によって消滅すべきであった債務の履行を請求することができる。 2 保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、善意で弁済をし、その他自己の財産をもって債務を消滅させるべき行為をしたときは、第四百四十三条の規定は、主たる債務者についても準用する。 第四百六十四条 連帯債務者又は不可分債務者の一人のために保証をした者は、他の債務者に対し、その負担部分のみについて求償権を有する。 第四百六十五条 第四百四十二条から第四百四十四条までの規定は、数人の保証人がある場合において、そのうちの一人の保証人が、主たる債務が不可分であるため又は各保証人が全額を弁済すべき旨の特約があるため、その全額又は自己の負担部分を超える額を弁済したときについて準用する。 2 第四百六十二条の規定は、前項に規定する場合を除き、互いに連帯しない保証人の一人が全額又は自己の負担部分を超える額を弁済したときについて準用する。 第四百六十五条の二 一定の範囲に属する不特定の債務を主たる債務とする保証契約(以下「根保証契約」という。)であってその債務の範囲に金銭の貸渡し又は手形の割引を受けることによって負担する債務(以下「貸金等債務」という。)が含まれるもの(保証人が法人であるものを除く。以下「貸金等根保証契約」という。)の保証人は、主たる債務の元本、主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たるすべてのもの及びその保証債務について約定された違約金又は損害賠償の額について、その全部に係る極度額を限度として、その履行をする責任を負う。 3 第四百四十六条第二項及び第三項の規定は、貸金等根保証契約における第一項に規定する極度額の定めについて準用する。 第四百六十五条の三 貸金等根保証契約において主たる債務の元本の確定すべき期日(以下「元本確定期日」という。)の定めがある場合において、その元本確定期日がその貸金等根保証契約の締結の日から五年を経過する日より後の日と定められているときは、その元本確定期日の定めは、その効力を生じない。 2 貸金等根保証契約において元本確定期日の定めがない場合(前項の規定により元本確定期日の定めがその効力を生じない場合を含む。)には、その元本確定期日は、その貸金等根保証契約の締結の日から三年を経過する日とする。 3 貸金等根保証契約における元本確定期日の変更をする場合において、変更後の元本確定期日がその変更をした日から五年を経過する日より後の日となるときは、その元本確定期日の変更は、その効力を生じない。ただし、元本確定期日の前二箇月以内に元本確定期日の変更をする場合において、変更後の元本確定期日が変更前の元本確定期日から五年以内の日となるときは、この限りでない。 4 第四百四十六条第二項及び第三項の規定は、貸金等根保証契約における元本確定期日の定め及びその変更(その貸金等根保証契約の締結の日から三年以内の日を元本確定期日とする旨の定め及び元本確定期日より前の日を変更後の元本確定期日とする変更を除く。)について準用する。 一 債権者が、主たる債務者又は保証人の財産について、金銭の支払を目的とする債権についての強制執行又は担保権の実行を申し立てたとき。ただし、強制執行又は担保権の実行の手続の開始があったときに限る。 第四百六十五条の五 保証人が法人である根保証契約であってその主たる債務の範囲に貸金等債務が含まれるものにおいて、第四百六十五条の二第一項に規定する極度額の定めがないとき、元本確定期日の定めがないとき、又は元本確定期日の定め若しくはその変更が第四百六十五条の三第一項若しくは第三項の規定を適用するとすればその効力を生じないものであるときは、その根保証契約の保証人の主たる債務者に対する求償権についての保証契約(保証人が法人であるものを除く。)は、その効力を生じない。 第四百六十六条 債権は、譲り渡すことができる。ただし、その性質がこれを許さないときは、この限りでない。 2 前項の規定は、当事者が反対の意思を表示した場合には、適用しない。ただし、その意思表示は、善意の第三者に対抗することができない。 第四百六十七条 指名債権の譲渡は、譲渡人が債務者に通知をし、又は債務者が承諾をしなければ、債務者その他の第三者に対抗することができない。 2 前項の通知又は承諾は、確定日付のある証書によってしなければ、債務者以外の第三者に対抗することができない。 第四百六十八条 債務者が異議をとどめないで前条の承諾をしたときは、譲渡人に対抗することができた事由があっても、これをもって譲受人に対抗することができない。この場合において、債務者がその債務を消滅させるために譲渡人に払い渡したものがあるときはこれを取り戻し、譲渡人に対して負担した債務があるときはこれを成立しないものとみなすことができる。 2 譲渡人が譲渡の通知をしたにとどまるときは、債務者は、その通知を受けるまでに譲渡人に対して生じた事由をもって譲受人に対抗することができる。 第四百六十九条 指図債権の譲渡は、その証書に譲渡の裏書をして譲受人に交付しなければ、債務者その他の第三者に対抗することができない。 第四百七十条 指図債権の債務者は、その証書の所持人並びにその署名及び押印の真偽を調査する権利を有するが、その義務を負わない。ただし、債務者に悪意又は重大な過失があるときは、その弁済は、無効とする。 第四百七十一条 前条の規定は、債権に関する証書に債権者を指名する記載がされているが、その証書の所持人に弁済をすべき旨が付記されている場合について準用する。 第四百七十二条 指図債権の債務者は、その証書に記載した事項及びその証書の性質から当然に生ずる結果を除き、その指図債権の譲渡前の債権者に対抗することができた事由をもって善意の譲受人に対抗することができない。 第四百七十四条 債務の弁済は、第三者もすることができる。ただし、その債務の性質がこれを許さないとき、又は当事者が反対の意思を表示したときは、この限りでない。 第四百七十五条 弁済をした者が弁済として他人の物を引き渡したときは、その弁済をした者は、更に有効な弁済をしなければ、その物を取り戻すことができない。 第四百七十六条 譲渡につき行為能力の制限を受けた所有者が弁済として物の引渡しをした場合において、その弁済を取り消したときは、その所有者は、更に有効な弁済をしなければ、その物を取り戻すことができない。 第四百七十七条 前二条の場合において、債権者が弁済として受領した物を善意で消費し、又は譲り渡したときは、その弁済は、有効とする。この場合において、債権者が第三者から賠償の請求を受けたときは、弁済をした者に対して求償をすることを妨げない。 第四百七十八条 債権の準占有者に対してした弁済は、その弁済をした者が善意であり、かつ、過失がなかったときに限り、その効力を有する。 第四百七十九条 前条の場合を除き、弁済を受領する権限を有しない者に対してした弁済は、債権者がこれによって利益を受けた限度においてのみ、その効力を有する。 第四百八十条 受取証書の持参人は、弁済を受領する権限があるものとみなす。ただし、弁済をした者がその権限がないことを知っていたとき、又は過失によって知らなかったときは、この限りでない。 第四百八十一条 支払の差止めを受けた第三債務者が自己の債権者に弁済をしたときは、差押債権者は、その受けた損害の限度において更に弁済をすべき旨を第三債務者に請求することができる。 第四百八十二条 債務者が、債権者の承諾を得て、その負担した給付に代えて他の給付をしたときは、その給付は、弁済と同一の効力を有する。 第四百八十三条 債権の目的が特定物の引渡しであるときは、弁済をする者は、その引渡しをすべき時の現状でその物を引き渡さなければならない。 第四百八十四条 弁済をすべき場所について別段の意思表示がないときは、特定物の引渡しは債権発生の時にその物が存在した場所において、その他の弁済は債権者の現在の住所において、それぞれしなければならない。 第四百八十五条 弁済の費用について別段の意思表示がないときは、その費用は、債務者の負担とする。ただし、債権者が住所の移転その他の行為によって弁済の費用を増加させたときは、その増加額は、債権者の負担とする。 第四百八十七条 債権に関する証書がある場合において、弁済をした者が全部の弁済をしたときは、その証書の返還を請求することができる。 第四百八十八条 債務者が同一の債権者に対して同種の給付を目的とする数個の債務を負担する場合において、弁済として提供した給付がすべての債務を消滅させるのに足りないときは、弁済をする者は、給付の時に、その弁済を充当すべき債務を指定することができる。 2 弁済をする者が前項の規定による指定をしないときは、弁済を受領する者は、その受領の時に、その弁済を充当すべき債務を指定することができる。ただし、弁済をする者がその充当に対して直ちに異議を述べたときは、この限りでない。 第四百八十九条 弁済をする者及び弁済を受領する者がいずれも前条の規定による弁済の充当の指定をしないときは、次の各号の定めるところに従い、その弁済を充当する。 二 すべての債務が弁済期にあるとき、又は弁済期にないときは、債務者のために弁済の利益が多いものに先に充当する。 三 債務者のために弁済の利益が相等しいときは、弁済期が先に到来したもの又は先に到来すべきものに先に充当する。 第四百九十条 一個の債務の弁済として数個の給付をすべき場合において、弁済をする者がその債務の全部を消滅させるのに足りない給付をしたときは、前二条の規定を準用する。 第四百九十一条 債務者が一個又は数個の債務について元本のほか利息及び費用を支払うべき場合において、弁済をする者がその債務の全部を消滅させるのに足りない給付をしたときは、これを順次に費用、利息及び元本に充当しなければならない。 第四百九十三条 弁済の提供は、債務の本旨に従って現実にしなければならない。ただし、債権者があらかじめその受領を拒み、又は債務の履行について債権者の行為を要するときは、弁済の準備をしたことを通知してその受領の催告をすれば足りる。 第四百九十四条 債権者が弁済の受領を拒み、又はこれを受領することができないときは、弁済をすることができる者(以下この目において「弁済者」という。)は、債権者のために弁済の目的物を供託してその債務を免れることができる。弁済者が過失なく債権者を確知することができないときも、同様とする。 2 供託所について法令に特別の定めがない場合には、裁判所は、弁済者の請求により、供託所の指定及び供託物の保管者の選任をしなければならない。 第四百九十六条 債権者が供託を受諾せず、又は供託を有効と宣告した判決が確定しない間は、弁済者は、供託物を取り戻すことができる。この場合においては、供託をしなかったものとみなす。 第四百九十七条 弁済の目的物が供託に適しないとき、又はその物について滅失若しくは損傷のおそれがあるときは、弁済者は、裁判所の許可を得て、これを競売に付し、その代金を供託することができる。その物の保存について過分の費用を要するときも、同様とする。 第四百九十八条 債務者が債権者の給付に対して弁済をすべき場合には、債権者は、その給付をしなければ、供託物を受け取ることができない。 第四百九十九条 債務者のために弁済をした者は、その弁済と同時に債権者の承諾を得て、債権者に代位することができる。 第五百一条 前二条の規定により債権者に代位した者は、自己の権利に基づいて求償をすることができる範囲内において、債権の効力及び担保としてその債権者が有していた一切の権利を行使することができる。この場合においては、次の各号の定めるところに従わなければならない。 一 保証人は、あらかじめ先取特権、不動産質権又は抵当権の登記にその代位を付記しなければ、その先取特権、不動産質権又は抵当権の目的である不動産の第三取得者に対して債権者に代位することができない。 五 保証人と物上保証人との間においては、その数に応じて、債権者に代位する。ただし、物上保証人が数人あるときは、保証人の負担部分を除いた残額について、各財産の価格に応じて、債権者に代位する。 第五百二条 債権の一部について代位弁済があったときは、代位者は、その弁済をした価額に応じて、債権者とともにその権利を行使する。 2 前項の場合において、債務の不履行による契約の解除は、債権者のみがすることができる。この場合においては、代位者に対し、その弁済をした価額及びその利息を償還しなければならない。 第五百三条 代位弁済によって全部の弁済を受けた債権者は、債権に関する証書及び自己の占有する担保物を代位者に交付しなければならない。 2 債権の一部について代位弁済があった場合には、債権者は、債権に関する証書にその代位を記入し、かつ、自己の占有する担保物の保存を代位者に監督させなければならない。 第五百四条 第五百条の規定により代位をすることができる者がある場合において、債権者が故意又は過失によってその担保を喪失し、又は減少させたときは、その代位をすることができる者は、その喪失又は減少によって償還を受けることができなくなった限度において、その責任を免れる。 第五百五条 二人が互いに同種の目的を有する債務を負担する場合において、双方の債務が弁済期にあるときは、各債務者は、その対当額について相殺によってその債務を免れることができる。ただし、債務の性質がこれを許さないときは、この限りでない。 2 前項の規定は、当事者が反対の意思を表示した場合には、適用しない。ただし、その意思表示は、善意の第三者に対抗することができない。 第五百六条 相殺は、当事者の一方から相手方に対する意思表示によってする。この場合において、その意思表示には、条件又は期限を付することができない。 第五百七条 相殺は、双方の債務の履行地が異なるときであっても、することができる。この場合において、相殺をする当事者は、相手方に対し、これによって生じた損害を賠償しなければならない。 第五百八条 時効によって消滅した債権がその消滅以前に相殺に適するようになっていた場合には、その債権者は、相殺をすることができる。 第五百九条 債務が不法行為によって生じたときは、その債務者は、相殺をもって債権者に対抗することができない。 第五百十条 債権が差押えを禁じたものであるときは、その債務者は、相殺をもって債権者に対抗することができない。 第五百十一条 支払の差止めを受けた第三債務者は、その後に取得した債権による相殺をもって差押債権者に対抗することができない。 2 条件付債務を無条件債務としたとき、無条件債務に条件を付したとき、又は債務の条件を変更したときは、いずれも債務の要素を変更したものとみなす。 第五百十四条 債務者の交替による更改は、債権者と更改後に債務者となる者との契約によってすることができる。ただし、更改前の債務者の意思に反するときは、この限りでない。 第五百十五条 債権者の交替による更改は、確定日付のある証書によってしなければ、第三者に対抗することができない。 第五百十七条 更改によって生じた債務が、不法な原因のため又は当事者の知らない事由によって成立せず又は取り消されたときは、更改前の債務は、消滅しない。 第五百十八条 更改の当事者は、更改前の債務の目的の限度において、その債務の担保として設定された質権又は抵当権を更改後の債務に移すことができる。ただし、第三者がこれを設定した場合には、その承諾を得なければならない。 第五百二十条 債権及び債務が同一人に帰属したときは、その債権は、消滅する。ただし、その債権が第三者の権利の目的であるときは、この限りでない。 2 申込者が前項の申込みに対して同項の期間内に承諾の通知を受けなかったときは、その申込みは、その効力を失う。 第五百二十二条 前条第一項の申込みに対する承諾の通知が同項の期間の経過後に到達した場合であっても、通常の場合にはその期間内に到達すべき時に発送したものであることを知ることができるときは、申込者は、遅滞なく、相手方に対してその延着の通知を発しなければならない。ただし、その到達前に遅延の通知を発したときは、この限りでない。 2 申込者が前項本文の延着の通知を怠ったときは、承諾の通知は、前条第一項の期間内に到達したものとみなす。 第五百二十四条 承諾の期間を定めないで隔地者に対してした申込みは、申込者が承諾の通知を受けるのに相当な期間を経過するまでは、撤回することができない。 第五百二十五条 第九十七条第二項の規定は、申込者が反対の意思を表示した場合又はその相手方が申込者の死亡若しくは行為能力の喪失の事実を知っていた場合には、適用しない。 2 申込者の意思表示又は取引上の慣習により承諾の通知を必要としない場合には、契約は、承諾の意思表示と認めるべき事実があった時に成立する。 第五百二十七条 申込みの撤回の通知が承諾の通知を発した後に到達した場合であっても、通常の場合にはその前に到達すべき時に発送したものであることを知ることができるときは、承諾者は、遅滞なく、申込者に対してその延着の通知を発しなければならない。 第五百二十八条 承諾者が、申込みに条件を付し、その他変更を加えてこれを承諾したときは、その申込みの拒絶とともに新たな申込みをしたものとみなす。 第五百二十九条 ある行為をした者に一定の報酬を与える旨を広告した者(以下この款において「懸賞広告者」という。)は、その行為をした者に対してその報酬を与える義務を負う。 第五百三十条 前条の場合において、懸賞広告者は、その指定した行為を完了する者がない間は、前の広告と同一の方法によってその広告を撤回することができる。ただし、その広告中に撤回をしない旨を表示したときは、この限りでない。 2 前項本文に規定する方法によって撤回をすることができない場合には、他の方法によって撤回をすることができる。この場合において、その撤回は、これを知った者に対してのみ、その効力を有する。 3 懸賞広告者がその指定した行為をする期間を定めたときは、その撤回をする権利を放棄したものと推定する。 第五百三十一条 広告に定めた行為をした者が数人あるときは、最初にその行為をした者のみが報酬を受ける権利を有する。 2 数人が同時に前項の行為をした場合には、各自が等しい割合で報酬を受ける権利を有する。ただし、報酬がその性質上分割に適しないとき、又は広告において一人のみがこれを受けるものとしたときは、抽選でこれを受ける者を定める。 第五百三十二条 広告に定めた行為をした者が数人ある場合において、その優等者のみに報酬を与えるべきときは、その広告は、応募の期間を定めたときに限り、その効力を有する。 2 前項の場合において、応募者中いずれの者の行為が優等であるかは、広告中に定めた者が判定し、広告中に判定をする者を定めなかったときは懸賞広告者が判定する。 第五百三十三条 双務契約の当事者の一方は、相手方がその債務の履行を提供するまでは、自己の債務の履行を拒むことができる。ただし、相手方の債務が弁済期にないときは、この限りでない。 第五百三十四条 特定物に関する物権の設定又は移転を双務契約の目的とした場合において、その物が債務者の責めに帰することができない事由によって滅失し、又は損傷したときは、その滅失又は損傷は、債権者の負担に帰する。 2 不特定物に関する契約については、第四百一条第二項の規定によりその物が確定した時から、前項の規定を適用する。 第五百三十五条 前条の規定は、停止条件付双務契約の目的物が条件の成否が未定である間に滅失した場合には、適用しない。 2 停止条件付双務契約の目的物が債務者の責めに帰することができない事由によって損傷したときは、その損傷は、債権者の負担に帰する。 3 停止条件付双務契約の目的物が債務者の責めに帰すべき事由によって損傷した場合において、条件が成就したときは、債権者は、その選択に従い、契約の履行の請求又は解除権の行使をすることができる。この場合においては、損害賠償の請求を妨げない。 第五百三十六条 前二条に規定する場合を除き、当事者双方の責めに帰することができない事由によって債務を履行することができなくなったときは、債務者は、反対給付を受ける権利を有しない。 2 債権者の責めに帰すべき事由によって債務を履行することができなくなったときは、債務者は、反対給付を受ける権利を失わない。この場合において、自己の債務を免れたことによって利益を得たときは、これを債権者に償還しなければならない。 第五百三十七条 契約により当事者の一方が第三者に対してある給付をすることを約したときは、その第三者は、債務者に対して直接にその給付を請求する権利を有する。 2 前項の場合において、第三者の権利は、その第三者が債務者に対して同項の契約の利益を享受する意思を表示した時に発生する。 第五百三十八条 前条の規定により第三者の権利が発生した後は、当事者は、これを変更し、又は消滅させることができない。 第五百三十九条 債務者は、第五百三十七条第一項の契約に基づく抗弁をもって、その契約の利益を受ける第三者に対抗することができる。 第五百四十条 契約又は法律の規定により当事者の一方が解除権を有するときは、その解除は、相手方に対する意思表示によってする。 第五百四十一条 当事者の一方がその債務を履行しない場合において、相手方が相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がないときは、相手方は、契約の解除をすることができる。 第五百四十二条 契約の性質又は当事者の意思表示により、特定の日時又は一定の期間内に履行をしなければ契約をした目的を達することができない場合において、当事者の一方が履行をしないでその時期を経過したときは、相手方は、前条の催告をすることなく、直ちにその契約の解除をすることができる。 第五百四十三条 履行の全部又は一部が不能となったときは、債権者は、契約の解除をすることができる。ただし、その債務の不履行が債務者の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。 第五百四十四条 当事者の一方が数人ある場合には、契約の解除は、その全員から又はその全員に対してのみ、することができる。 2 前項の場合において、解除権が当事者のうちの一人について消滅したときは、他の者についても消滅する。 第五百四十五条 当事者の一方がその解除権を行使したときは、各当事者は、その相手方を原状に復させる義務を負う。ただし、第三者の権利を害することはできない。 第五百四十七条 解除権の行使について期間の定めがないときは、相手方は、解除権を有する者に対し、相当の期間を定めて、その期間内に解除をするかどうかを確答すべき旨の催告をすることができる。この場合において、その期間内に解除の通知を受けないときは、解除権は、消滅する。 第五百四十八条 解除権を有する者が自己の行為若しくは過失によって契約の目的物を著しく損傷し、若しくは返還することができなくなったとき、又は加工若しくは改造によってこれを他の種類の物に変えたときは、解除権は、消滅する。 2 契約の目的物が解除権を有する者の行為又は過失によらないで滅失し、又は損傷したときは、解除権は、消滅しない。 第五百四十九条 贈与は、当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる。 第五百五十条 書面によらない贈与は、各当事者が撤回することができる。ただし、履行の終わった部分については、この限りでない。 第五百五十一条 贈与者は、贈与の目的である物又は権利の瑕疵又は不存在について、その責任を負わない。ただし、贈与者がその瑕疵又は不存在を知りながら受贈者に告げなかったときは、この限りでない。 第五百五十三条 負担付贈与については、この節に定めるもののほか、その性質に反しない限り、双務契約に関する規定を準用する。 第五百五十四条 贈与者の死亡によって効力を生ずる贈与については、その性質に反しない限り、遺贈に関する規定を準用する。 第五百五十五条 売買は、当事者の一方がある財産権を相手方に移転することを約し、相手方がこれに対してその代金を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。 第五百五十六条 売買の一方の予約は、相手方が売買を完結する意思を表示した時から、売買の効力を生ずる。 2 前項の意思表示について期間を定めなかったときは、予約者は、相手方に対し、相当の期間を定めて、その期間内に売買を完結するかどうかを確答すべき旨の催告をすることができる。この場合において、相手方がその期間内に確答をしないときは、売買の一方の予約は、その効力を失う。 第五百五十七条 買主が売主に手付を交付したときは、当事者の一方が契約の履行に着手するまでは、買主はその手付を放棄し、売主はその倍額を償還して、契約の解除をすることができる。 第五百五十九条 この節の規定は、売買以外の有償契約について準用する。ただし、その有償契約の性質がこれを許さないときは、この限りでない。 第五百六十条 他人の権利を売買の目的としたときは、売主は、その権利を取得して買主に移転する義務を負う。 第五百六十一条 前条の場合において、売主がその売却した権利を取得して買主に移転することができないときは、買主は、契約の解除をすることができる。この場合において、契約の時においてその権利が売主に属しないことを知っていたときは、損害賠償の請求をすることができない。 第五百六十二条 売主が契約の時においてその売却した権利が自己に属しないことを知らなかった場合において、その権利を取得して買主に移転することができないときは、売主は、損害を賠償して、契約の解除をすることができる。 2 前項の場合において、買主が契約の時においてその買い受けた権利が売主に属しないことを知っていたときは、売主は、買主に対し、単にその売却した権利を移転することができない旨を通知して、契約の解除をすることができる。 第五百六十三条 売買の目的である権利の一部が他人に属することにより、売主がこれを買主に移転することができないときは、買主は、その不足する部分の割合に応じて代金の減額を請求することができる。 2 前項の場合において、残存する部分のみであれば買主がこれを買い受けなかったときは、善意の買主は、契約の解除をすることができる。 第五百六十四条 前条の規定による権利は、買主が善意であったときは事実を知った時から、悪意であったときは契約の時から、それぞれ一年以内に行使しなければならない。 第五百六十五条 前二条の規定は、数量を指示して売買をした物に不足がある場合又は物の一部が契約の時に既に滅失していた場合において、買主がその不足又は滅失を知らなかったときについて準用する。 第五百六十六条 売買の目的物が地上権、永小作権、地役権、留置権又は質権の目的である場合において、買主がこれを知らず、かつ、そのために契約をした目的を達することができないときは、買主は、契約の解除をすることができる。この場合において、契約の解除をすることができないときは、損害賠償の請求のみをすることができる。 2 前項の規定は、売買の目的である不動産のために存すると称した地役権が存しなかった場合及びその不動産について登記をした賃貸借があった場合について準用する。 3 前二項の場合において、契約の解除又は損害賠償の請求は、買主が事実を知った時から一年以内にしなければならない。 第五百六十七条 売買の目的である不動産について存した先取特権又は抵当権の行使により買主がその所有権を失ったときは、買主は、契約の解除をすることができる。 2 買主は、費用を支出してその所有権を保存したときは、売主に対し、その費用の償還を請求することができる。 第五百六十八条 強制競売における買受人は、第五百六十一条から前条までの規定により、債務者に対し、契約の解除をし、又は代金の減額を請求することができる。 2 前項の場合において、債務者が無資力であるときは、買受人は、代金の配当を受けた債権者に対し、その代金の全部又は一部の返還を請求することができる。 3 前二項の場合において、債務者が物若しくは権利の不存在を知りながら申し出なかったとき、又は債権者がこれを知りながら競売を請求したときは、買受人は、これらの者に対し、損害賠償の請求をすることができる。 第五百六十九条 債権の売主が債務者の資力を担保したときは、契約の時における資力を担保したものと推定する。 2 弁済期に至らない債権の売主が債務者の将来の資力を担保したときは、弁済期における資力を担保したものと推定する。 第五百七十条 売買の目的物に隠れた瑕疵があったときは、第五百六十六条の規定を準用する。ただし、強制競売の場合は、この限りでない。 第五百七十一条 第五百三十三条の規定は、第五百六十三条から第五百六十六条まで及び前条の場合について準用する。 第五百七十二条 売主は、第五百六十条から前条までの規定による担保の責任を負わない旨の特約をしたときであっても、知りながら告げなかった事実及び自ら第三者のために設定し又は第三者に譲り渡した権利については、その責任を免れることができない。 第五百七十三条 売買の目的物の引渡しについて期限があるときは、代金の支払についても同一の期限を付したものと推定する。 第五百七十四条 売買の目的物の引渡しと同時に代金を支払うべきときは、その引渡しの場所において支払わなければならない。 第五百七十五条 まだ引き渡されていない売買の目的物が果実を生じたときは、その果実は、売主に帰属する。 2 買主は、引渡しの日から、代金の利息を支払う義務を負う。ただし、代金の支払について期限があるときは、その期限が到来するまでは、利息を支払うことを要しない。 第五百七十六条 売買の目的について権利を主張する者があるために買主がその買い受けた権利の全部又は一部を失うおそれがあるときは、買主は、その危険の限度に応じて、代金の全部又は一部の支払を拒むことができる。ただし、売主が相当の担保を供したときは、この限りでない。 第五百七十七条 買い受けた不動産について抵当権の登記があるときは、買主は、抵当権消滅請求の手続が終わるまで、その代金の支払を拒むことができる。この場合において、売主は、買主に対し、遅滞なく抵当権消滅請求をすべき旨を請求することができる。 第五百七十九条 不動産の売主は、売買契約と同時にした買戻しの特約により、買主が支払った代金及び契約の費用を返還して、売買の解除をすることができる。この場合において、当事者が別段の意思を表示しなかったときは、不動産の果実と代金の利息とは相殺したものとみなす。 第五百八十条 買戻しの期間は、十年を超えることができない。特約でこれより長い期間を定めたときは、その期間は、十年とする。 第五百八十一条 売買契約と同時に買戻しの特約を登記したときは、買戻しは、第三者に対しても、その効力を生ずる。 2 登記をした賃借人の権利は、その残存期間中一年を超えない期間に限り、売主に対抗することができる。ただし、売主を害する目的で賃貸借をしたときは、この限りでない。 第五百八十二条 売主の債権者が第四百二十三条の規定により売主に代わって買戻しをしようとするときは、買主は、裁判所において選任した鑑定人の評価に従い、不動産の現在の価額から売主が返還すべき金額を控除した残額に達するまで売主の債務を弁済し、なお残余があるときはこれを売主に返還して、買戻権を消滅させることができる。 第五百八十三条 売主は、第五百八十条に規定する期間内に代金及び契約の費用を提供しなければ、買戻しをすることができない。 2 買主又は転得者が不動産について費用を支出したときは、売主は、第百九十六条の規定に従い、その償還をしなければならない。ただし、有益費については、裁判所は、売主の請求により、その償還について相当の期限を許与することができる。 第五百八十四条 不動産の共有者の一人が買戻しの特約を付してその持分を売却した後に、その不動産の分割又は競売があったときは、売主は、買主が受け、若しくは受けるべき部分又は代金について、買戻しをすることができる。ただし、売主に通知をしないでした分割及び競売は、売主に対抗することができない。 第五百八十五条 前条の場合において、買主が不動産の競売における買受人となったときは、売主は、競売の代金及び第五百八十三条に規定する費用を支払って買戻しをすることができる。この場合において、売主は、その不動産の全部の所有権を取得する。 2 他の共有者が分割を請求したことにより買主が競売における買受人となったときは、売主は、その持分のみについて買戻しをすることはできない。 第五百八十六条 交換は、当事者が互いに金銭の所有権以外の財産権を移転することを約することによって、その効力を生ずる。 2 当事者の一方が他の権利とともに金銭の所有権を移転することを約した場合におけるその金銭については、売買の代金に関する規定を準用する。 第五百八十七条 消費貸借は、当事者の一方が種類、品質及び数量の同じ物をもって返還をすることを約して相手方から金銭その他の物を受け取ることによって、その効力を生ずる。 第五百八十八条 消費貸借によらないで金銭その他の物を給付する義務を負う者がある場合において、当事者がその物を消費貸借の目的とすることを約したときは、消費貸借は、これによって成立したものとみなす。 第五百八十九条 消費貸借の予約は、その後に当事者の一方が破産手続開始の決定を受けたときは、その効力を失う。 第五百九十条 利息付きの消費貸借において、物に隠れた瑕疵があったときは、貸主は、瑕疵がない物をもってこれに代えなければならない。この場合においては、損害賠償の請求を妨げない。 2 無利息の消費貸借においては、借主は、瑕疵がある物の価額を返還することができる。この場合において、貸主がその瑕疵を知りながら借主に告げなかったときは、前項の規定を準用する。 第五百九十一条 当事者が返還の時期を定めなかったときは、貸主は、相当の期間を定めて返還の催告をすることができる。 第五百九十二条 借主が貸主から受け取った物と種類、品質及び数量の同じ物をもって返還をすることができなくなったときは、その時における物の価額を償還しなければならない。ただし、第四百二条第二項に規定する場合は、この限りでない。 第五百九十三条 使用貸借は、当事者の一方が無償で使用及び収益をした後に返還をすることを約して相手方からある物を受け取ることによって、その効力を生ずる。 第五百九十四条 借主は、契約又はその目的物の性質によって定まった用法に従い、その物の使用及び収益をしなければならない。 2 当事者が返還の時期を定めなかったときは、借主は、契約に定めた目的に従い使用及び収益を終わった時に、返還をしなければならない。ただし、その使用及び収益を終わる前であっても、使用及び収益をするのに足りる期間を経過したときは、貸主は、直ちに返還を請求することができる。 3 当事者が返還の時期並びに使用及び収益の目的を定めなかったときは、貸主は、いつでも返還を請求することができる。 第六百条 契約の本旨に反する使用又は収益によって生じた損害の賠償及び借主が支出した費用の償還は、貸主が返還を受けた時から一年以内に請求しなければならない。 第六百一条 賃貸借は、当事者の一方がある物の使用及び収益を相手方にさせることを約し、相手方がこれに対してその賃料を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。 第六百二条 処分につき行為能力の制限を受けた者又は処分の権限を有しない者が賃貸借をする場合には、次の各号に掲げる賃貸借は、それぞれ当該各号に定める期間を超えることができない。 第六百三条 前条に定める期間は、更新することができる。ただし、その期間満了前、土地については一年以内、建物については三箇月以内、動産については一箇月以内に、その更新をしなければならない。 第六百四条 賃貸借の存続期間は、二十年を超えることができない。契約でこれより長い期間を定めたときであっても、その期間は、二十年とする。 2 賃貸借の存続期間は、更新することができる。ただし、その期間は、更新の時から二十年を超えることができない。 第六百五条 不動産の賃貸借は、これを登記したときは、その後その不動産について物権を取得した者に対しても、その効力を生ずる。 第六百七条 賃貸人が賃借人の意思に反して保存行為をしようとする場合において、そのために賃借人が賃借をした目的を達することができなくなるときは、賃借人は、契約の解除をすることができる。 第六百八条 賃借人は、賃借物について賃貸人の負担に属する必要費を支出したときは、賃貸人に対し、直ちにその償還を請求することができる。 2 賃借人が賃借物について有益費を支出したときは、賃貸人は、賃貸借の終了の時に、第百九十六条第二項の規定に従い、その償還をしなければならない。ただし、裁判所は、賃貸人の請求により、その償還について相当の期限を許与することができる。 第六百九条 収益を目的とする土地の賃借人は、不可抗力によって賃料より少ない収益を得たときは、その収益の額に至るまで、賃料の減額を請求することができる。ただし、宅地の賃貸借については、この限りでない。 第六百十条 前条の場合において、同条の賃借人は、不可抗力によって引き続き二年以上賃料より少ない収益を得たときは、契約の解除をすることができる。 第六百十一条 賃借物の一部が賃借人の過失によらないで滅失したときは、賃借人は、その滅失した部分の割合に応じて、賃料の減額を請求することができる。 2 前項の場合において、残存する部分のみでは賃借人が賃借をした目的を達することができないときは、賃借人は、契約の解除をすることができる。 第六百十二条 賃借人は、賃貸人の承諾を得なければ、その賃借権を譲り渡し、又は賃借物を転貸することができない。 2 賃借人が前項の規定に違反して第三者に賃借物の使用又は収益をさせたときは、賃貸人は、契約の解除をすることができる。 第六百十三条 賃借人が適法に賃借物を転貸したときは、転借人は、賃貸人に対して直接に義務を負う。この場合においては、賃料の前払をもって賃貸人に対抗することができない。 第六百十四条 賃料は、動産、建物及び宅地については毎月末に、その他の土地については毎年末に、支払わなければならない。ただし、収穫の季節があるものについては、その季節の後に遅滞なく支払わなければならない。 第六百十五条 賃借物が修繕を要し、又は賃借物について権利を主張する者があるときは、賃借人は、遅滞なくその旨を賃貸人に通知しなければならない。ただし、賃貸人が既にこれを知っているときは、この限りでない。 第六百十六条 第五百九十四条第一項、第五百九十七条第一項及び第五百九十八条の規定は、賃貸借について準用する。 第六百十七条 当事者が賃貸借の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合においては、次の各号に掲げる賃貸借は、解約の申入れの日からそれぞれ当該各号に定める期間を経過することによって終了する。 2 収穫の季節がある土地の賃貸借については、その季節の後次の耕作に着手する前に、解約の申入れをしなければならない。 第六百十八条 当事者が賃貸借の期間を定めた場合であっても、その一方又は双方がその期間内に解約をする権利を留保したときは、前条の規定を準用する。 第六百十九条 賃貸借の期間が満了した後賃借人が賃借物の使用又は収益を継続する場合において、賃貸人がこれを知りながら異議を述べないときは、従前の賃貸借と同一の条件で更に賃貸借をしたものと推定する。この場合において、各当事者は、第六百十七条の規定により解約の申入れをすることができる。 2 従前の賃貸借について当事者が担保を供していたときは、その担保は、期間の満了によって消滅する。ただし、敷金については、この限りでない。 第六百二十条 賃貸借の解除をした場合には、その解除は、将来に向かってのみその効力を生ずる。この場合において、当事者の一方に過失があったときは、その者に対する損害賠償の請求を妨げない。 第六百二十三条 雇用は、当事者の一方が相手方に対して労働に従事することを約し、相手方がこれに対してその報酬を与えることを約することによって、その効力を生ずる。 3 労働者が前項の規定に違反して第三者を労働に従事させたときは、使用者は、契約の解除をすることができる。 第六百二十六条 雇用の期間が五年を超え、又は雇用が当事者の一方若しくは第三者の終身の間継続すべきときは、当事者の一方は、五年を経過した後、いつでも契約の解除をすることができる。ただし、この期間は、商工業の見習を目的とする雇用については、十年とする。 第六百二十七条 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。 2 期間によって報酬を定めた場合には、解約の申入れは、次期以後についてすることができる。ただし、その解約の申入れは、当期の前半にしなければならない。 3 六箇月以上の期間によって報酬を定めた場合には、前項の解約の申入れは、三箇月前にしなければならない。 第六百二十八条 当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。この場合において、その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負う。 第六百二十九条 雇用の期間が満了した後労働者が引き続きその労働に従事する場合において、使用者がこれを知りながら異議を述べないときは、従前の雇用と同一の条件で更に雇用をしたものと推定する。この場合において、各当事者は、第六百二十七条の規定により解約の申入れをすることができる。 2 従前の雇用について当事者が担保を供していたときは、その担保は、期間の満了によって消滅する。ただし、身元保証金については、この限りでない。 第六百三十一条 使用者が破産手続開始の決定を受けた場合には、雇用に期間の定めがあるときであっても、労働者又は破産管財人は、第六百二十七条の規定により解約の申入れをすることができる。この場合において、各当事者は、相手方に対し、解約によって生じた損害の賠償を請求することができない。 第六百三十二条 請負は、当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。 第六百三十三条 報酬は、仕事の目的物の引渡しと同時に、支払わなければならない。ただし、物の引渡しを要しないときは、第六百二十四条第一項の規定を準用する。 第六百三十四条 仕事の目的物に瑕疵があるときは、注文者は、請負人に対し、相当の期間を定めて、その瑕疵の修補を請求することができる。ただし、瑕疵が重要でない場合において、その修補に過分の費用を要するときは、この限りでない。 2 注文者は、瑕疵の修補に代えて、又はその修補とともに、損害賠償の請求をすることができる。この場合においては、第五百三十三条の規定を準用する。 第六百三十五条 仕事の目的物に瑕疵があり、そのために契約をした目的を達することができないときは、注文者は、契約の解除をすることができる。ただし、建物その他の土地の工作物については、この限りでない。 第六百三十六条 前二条の規定は、仕事の目的物の瑕疵が注文者の供した材料の性質又は注文者の与えた指図によって生じたときは、適用しない。ただし、請負人がその材料又は指図が不適当であることを知りながら告げなかったときは、この限りでない。 第六百三十七条 前三条の規定による瑕疵の修補又は損害賠償の請求及び契約の解除は、仕事の目的物を引き渡した時から一年以内にしなければならない。 第六百三十八条 建物その他の土地の工作物の請負人は、その工作物又は地盤の瑕疵について、引渡しの後五年間その担保の責任を負う。ただし、この期間は、石造、土造、れんが造、コンクリート造、金属造その他これらに類する構造の工作物については、十年とする。 2 工作物が前項の瑕疵によって滅失し、又は損傷したときは、注文者は、その滅失又は損傷の時から一年以内に、第六百三十四条の規定による権利を行使しなければならない。 第六百三十九条 第六百三十七条及び前条第一項の期間は、第百六十七条の規定による消滅時効の期間内に限り、契約で伸長することができる。 第六百四十条 請負人は、第六百三十四条又は第六百三十五条の規定による担保の責任を負わない旨の特約をしたときであっても、知りながら告げなかった事実については、その責任を免れることができない。 第六百四十一条 請負人が仕事を完成しない間は、注文者は、いつでも損害を賠償して契約の解除をすることができる。 第六百四十二条 注文者が破産手続開始の決定を受けたときは、請負人又は破産管財人は、契約の解除をすることができる。この場合において、請負人は、既にした仕事の報酬及びその中に含まれていない費用について、破産財団の配当に加入することができる。 2 前項の場合には、契約の解除によって生じた損害の賠償は、破産管財人が契約の解除をした場合における請負人に限り、請求することができる。この場合において、請負人は、その損害賠償について、破産財団の配当に加入する。 第六百四十三条 委任は、当事者の一方が法律行為をすることを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって、その効力を生ずる。 第六百四十四条 受任者は、委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を負う。 第六百四十五条 受任者は、委任者の請求があるときは、いつでも委任事務の処理の状況を報告し、委任が終了した後は、遅滞なくその経過及び結果を報告しなければならない。 第六百四十六条 受任者は、委任事務を処理するに当たって受け取った金銭その他の物を委任者に引き渡さなければならない。その収取した果実についても、同様とする。 第六百四十七条 受任者は、委任者に引き渡すべき金額又はその利益のために用いるべき金額を自己のために消費したときは、その消費した日以後の利息を支払わなければならない。この場合において、なお損害があるときは、その賠償の責任を負う。 2 受任者は、報酬を受けるべき場合には、委任事務を履行した後でなければ、これを請求することができない。ただし、期間によって報酬を定めたときは、第六百二十四条第二項の規定を準用する。 3 委任が受任者の責めに帰することができない事由によって履行の中途で終了したときは、受任者は、既にした履行の割合に応じて報酬を請求することができる。 第六百四十九条 委任事務を処理するについて費用を要するときは、委任者は、受任者の請求により、その前払をしなければならない。 第六百五十条 受任者は、委任事務を処理するのに必要と認められる費用を支出したときは、委任者に対し、その費用及び支出の日以後におけるその利息の償還を請求することができる。 2 受任者は、委任事務を処理するのに必要と認められる債務を負担したときは、委任者に対し、自己に代わってその弁済をすることを請求することができる。この場合において、その債務が弁済期にないときは、委任者に対し、相当の担保を供させることができる。 3 受任者は、委任事務を処理するため自己に過失なく損害を受けたときは、委任者に対し、その賠償を請求することができる。 2 当事者の一方が相手方に不利な時期に委任の解除をしたときは、その当事者の一方は、相手方の損害を賠償しなければならない。ただし、やむを得ない事由があったときは、この限りでない。 第六百五十四条 委任が終了した場合において、急迫の事情があるときは、受任者又はその相続人若しくは法定代理人は、委任者又はその相続人若しくは法定代理人が委任事務を処理することができるに至るまで、必要な処分をしなければならない。 第六百五十五条 委任の終了事由は、これを相手方に通知したとき、又は相手方がこれを知っていたときでなければ、これをもってその相手方に対抗することができない。 第六百五十七条 寄託は、当事者の一方が相手方のために保管をすることを約してある物を受け取ることによって、その効力を生ずる。 第六百五十八条 受寄者は、寄託者の承諾を得なければ、寄託物を使用し、又は第三者にこれを保管させることができない。 2 第百五条及び第百七条第二項の規定は、受寄者が第三者に寄託物を保管させることができる場合について準用する。 第六百五十九条 無報酬で寄託を受けた者は、自己の財産に対するのと同一の注意をもって、寄託物を保管する義務を負う。 第六百六十条 寄託物について権利を主張する第三者が受寄者に対して訴えを提起し、又は差押え、仮差押え若しくは仮処分をしたときは、受寄者は、遅滞なくその事実を寄託者に通知しなければならない。 第六百六十一条 寄託者は、寄託物の性質又は瑕疵によって生じた損害を受寄者に賠償しなければならない。ただし、寄託者が過失なくその性質若しくは瑕疵を知らなかったとき、又は受寄者がこれを知っていたときは、この限りでない。 第六百六十二条 当事者が寄託物の返還の時期を定めたときであっても、寄託者は、いつでもその返還を請求することができる。 第六百六十三条 当事者が寄託物の返還の時期を定めなかったときは、受寄者は、いつでもその返還をすることができる。 2 返還の時期の定めがあるときは、受寄者は、やむを得ない事由がなければ、その期限前に返還をすることができない。 第六百六十四条 寄託物の返還は、その保管をすべき場所でしなければならない。ただし、受寄者が正当な事由によってその物を保管する場所を変更したときは、その現在の場所で返還をすることができる。 第六百六十五条 第六百四十六条から第六百五十条まで(同条第三項を除く。)の規定は、寄託について準用する。 第六百六十六条 第五節(消費貸借)の規定は、受寄者が契約により寄託物を消費することができる場合について準用する。 2 前項において準用する第五百九十一条第一項の規定にかかわらず、前項の契約に返還の時期を定めなかったときは、寄託者は、いつでも返還を請求することができる。 第六百六十七条 組合契約は、各当事者が出資をして共同の事業を営むことを約することによって、その効力を生ずる。 第六百六十九条 金銭を出資の目的とした場合において、組合員がその出資をすることを怠ったときは、その利息を支払うほか、損害の賠償をしなければならない。 2 前項の業務の執行は、組合契約でこれを委任した者(次項において「業務執行者」という。)が数人あるときは、その過半数で決する。 3 組合の常務は、前二項の規定にかかわらず、各組合員又は各業務執行者が単独で行うことができる。ただし、その完了前に他の組合員又は業務執行者が異議を述べたときは、この限りでない。 第六百七十一条 第六百四十四条から第六百五十条までの規定は、組合の業務を執行する組合員について準用する。 第六百七十二条 組合契約で一人又は数人の組合員に業務の執行を委任したときは、その組合員は、正当な事由がなければ、辞任することができない。 第六百七十三条 各組合員は、組合の業務を執行する権利を有しないときであっても、その業務及び組合財産の状況を検査することができる。 第六百七十四条 当事者が損益分配の割合を定めなかったときは、その割合は、各組合員の出資の価額に応じて定める。 2 利益又は損失についてのみ分配の割合を定めたときは、その割合は、利益及び損失に共通であるものと推定する。 第六百七十五条 組合の債権者は、その債権の発生の時に組合員の損失分担の割合を知らなかったときは、各組合員に対して等しい割合でその権利を行使することができる。 第六百七十六条 組合員は、組合財産についてその持分を処分したときは、その処分をもって組合及び組合と取引をした第三者に対抗することができない。 第六百七十八条 組合契約で組合の存続期間を定めなかったとき、又はある組合員の終身の間組合が存続すべきことを定めたときは、各組合員は、いつでも脱退することができる。ただし、やむを得ない事由がある場合を除き、組合に不利な時期に脱退することができない。 2 組合の存続期間を定めた場合であっても、各組合員は、やむを得ない事由があるときは、脱退することができる。 第六百八十条 組合員の除名は、正当な事由がある場合に限り、他の組合員の一致によってすることができる。ただし、除名した組合員にその旨を通知しなければ、これをもってその組合員に対抗することができない。 第六百八十一条 脱退した組合員と他の組合員との間の計算は、脱退の時における組合財産の状況に従ってしなければならない。 第六百八十五条 組合が解散したときは、清算は、総組合員が共同して、又はその選任した清算人がこれをする。 第六百八十七条 第六百七十二条の規定は、組合契約で組合員の中から清算人を選任した場合について準用する。 第六百八十九条 終身定期金契約は、当事者の一方が、自己、相手方又は第三者の死亡に至るまで、定期に金銭その他の物を相手方又は第三者に給付することを約することによって、その効力を生ずる。 第六百九十一条 終身定期金債務者が終身定期金の元本を受領した場合において、その終身定期金の給付を怠り、又はその他の義務を履行しないときは、相手方は、元本の返還を請求することができる。この場合において、相手方は、既に受け取った終身定期金の中からその元本の利息を控除した残額を終身定期金債務者に返還しなければならない。 第六百九十三条 終身定期金債務者の責めに帰すべき事由によって第六百八十九条に規定する死亡が生じたときは、裁判所は、終身定期金債権者又はその相続人の請求により、終身定期金債権が相当の期間存続することを宣告することができる。 第六百九十五条 和解は、当事者が互いに譲歩をしてその間に存する争いをやめることを約することによって、その効力を生ずる。 第六百九十六条 当事者の一方が和解によって争いの目的である権利を有するものと認められ、又は相手方がこれを有しないものと認められた場合において、その当事者の一方が従来その権利を有していなかった旨の確証又は相手方がこれを有していた旨の確証が得られたときは、その権利は、和解によってその当事者の一方に移転し、又は消滅したものとする。 第六百九十七条 義務なく他人のために事務の管理を始めた者(以下この章において「管理者」という。)は、その事務の性質に従い、最も本人の利益に適合する方法によって、その事務の管理(以下「事務管理」という。)をしなければならない。 2 管理者は、本人の意思を知っているとき、又はこれを推知することができるときは、その意思に従って事務管理をしなければならない。 第六百九十八条 管理者は、本人の身体、名誉又は財産に対する急迫の危害を免れさせるために事務管理をしたときは、悪意又は重大な過失があるのでなければ、これによって生じた損害を賠償する責任を負わない。 第六百九十九条 管理者は、事務管理を始めたことを遅滞なく本人に通知しなければならない。ただし、本人が既にこれを知っているときは、この限りでない。 第七百条 管理者は、本人又はその相続人若しくは法定代理人が管理をすることができるに至るまで、事務管理を継続しなければならない。ただし、事務管理の継続が本人の意思に反し、又は本人に不利であることが明らかであるときは、この限りでない。 第七百二条 管理者は、本人のために有益な費用を支出したときは、本人に対し、その償還を請求することができる。 3 管理者が本人の意思に反して事務管理をしたときは、本人が現に利益を受けている限度においてのみ、前二項の規定を適用する。 第七百三条 法律上の原因なく他人の財産又は労務によって利益を受け、そのために他人に損失を及ぼした者(以下この章において「受益者」という。)は、その利益の存する限度において、これを返還する義務を負う。 第七百四条 悪意の受益者は、その受けた利益に利息を付して返還しなければならない。この場合において、なお損害があるときは、その賠償の責任を負う。 第七百五条 債務の弁済として給付をした者は、その時において債務の存在しないことを知っていたときは、その給付したものの返還を請求することができない。 第七百六条 債務者は、弁済期にない債務の弁済として給付をしたときは、その給付したものの返還を請求することができない。ただし、債務者が錯誤によってその給付をしたときは、債権者は、これによって得た利益を返還しなければならない。 第七百七条 債務者でない者が錯誤によって債務の弁済をした場合において、債権者が善意で証書を滅失させ若しくは損傷し、担保を放棄し、又は時効によってその債権を失ったときは、その弁済をした者は、返還の請求をすることができない。 第七百八条 不法な原因のために給付をした者は、その給付したものの返還を請求することができない。ただし、不法な原因が受益者についてのみ存したときは、この限りでない。 第七百九条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 第七百十条 他人の身体、自由若しくは名誉を侵害した場合又は他人の財産権を侵害した場合のいずれであるかを問わず、前条の規定により損害賠償の責任を負う者は、財産以外の損害に対しても、その賠償をしなければならない。 第七百十一条 他人の生命を侵害した者は、被害者の父母、配偶者及び子に対しては、その財産権が侵害されなかった場合においても、損害の賠償をしなければならない。 第七百十二条 未成年者は、他人に損害を加えた場合において、自己の行為の責任を弁識するに足りる知能を備えていなかったときは、その行為について賠償の責任を負わない。 第七百十三条 精神上の障害により自己の行為の責任を弁識する能力を欠く状態にある間に他人に損害を加えた者は、その賠償の責任を負わない。ただし、故意又は過失によって一時的にその状態を招いたときは、この限りでない。 第七百十四条 前二条の規定により責任無能力者がその責任を負わない場合において、その責任無能力者を監督する法定の義務を負う者は、その責任無能力者が第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、監督義務者がその義務を怠らなかったとき、又はその義務を怠らなくても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。 第七百十五条 ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき、又は相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。 第七百十六条 注文者は、請負人がその仕事について第三者に加えた損害を賠償する責任を負わない。ただし、注文又は指図についてその注文者に過失があったときは、この限りでない。 第七百十七条 土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。 3 前二項の場合において、損害の原因について他にその責任を負う者があるときは、占有者又は所有者は、その者に対して求償権を行使することができる。 第七百十八条 動物の占有者は、その動物が他人に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、動物の種類及び性質に従い相当の注意をもってその管理をしたときは、この限りでない。 第七百十九条 数人が共同の不法行為によって他人に損害を加えたときは、各自が連帯してその損害を賠償する責任を負う。共同行為者のうちいずれの者がその損害を加えたかを知ることができないときも、同様とする。 第七百二十条 他人の不法行為に対し、自己又は第三者の権利又は法律上保護される利益を防衛するため、やむを得ず加害行為をした者は、損害賠償の責任を負わない。ただし、被害者から不法行為をした者に対する損害賠償の請求を妨げない。 第七百二十三条 他人の名誉を毀損した者に対しては、裁判所は、被害者の請求により、損害賠償に代えて、又は損害賠償とともに、名誉を回復するのに適当な処分を命ずることができる。 第七百二十四条 不法行為による損害賠償の請求権は、被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間行使しないときは、時効によって消滅する。不法行為の時から二十年を経過したときも、同様とする。 |
[ 488] 債権回収担当者の独り言
[引用サイト] http://loanmaster.seesaa.net/
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私はいわゆるサービサー(債権回収会社)に勤務しています。仕事の内容はずばり「債権回収」です。どんな債権を回収するのかというと、要するに不良債権です。債権回収などというと何やら厳しい取立を行っているように思われがちです。もちろん、そういうケースもあります。ただ最近は「再生」などと言われるように必ずしも強引なやり方だけではありません。そんな現場の状況をつらつらと綴ってみたいと思います。 さてブログをスタートしてもうじき2年である。仕事から帰ってきてアクセスをチェックしている。人気ブログには足元にも及ばないが、それでも結構たくさんの人に見に来ていただいている。感激するとともに不思議な感じがするのが正直なところである。そしてアクセスにははっきりとした一つの傾向がある。それは「平日に多く、休日に少ない」という事である。みなさん、仕事中にみているのでしょうか?そしてよくメールやコメントをいただく。債務者の方、債権者の方双方にうまく分散しているようである。日頃返済が思わしくなくなると逃げるようになる債務者の方はとても多い。電話してもいない、とか折り返しの電話を頼んでも電話をくれない、とか・・・確かに電話しにくいという気持ちはわかるが、一方で助け舟を出せる時もある。だがじっくりと話もできないのではその船も出せない。債務者の方にそういう意識・知識がないのも原因だが、現実的に問題のある債権者(担当者)がいるのも事実である。(そういう態度・やり方はいかがなものかと思う同僚も確かにいる)難しいところである。「勉強になる」というコメントをいただく事もある。「どういうところが」という事が今一私自身にはよくわからない。ただ、そういう目で見ている方もいるというのも事実であり、十分意識していきたいと考えている。まだまだ日々いろいろな事を経験している。良い整理にもなるのでこれからも続けて行きたいと思う・・・ご訪問の記録にできればクリックして下さい人気blogランキングです 同僚Aが申し立てをした「財産開示制度」。常日頃「花より団子」ではない、「絵に描いた餅は食べられない」という極めて実利的な考えをもっている私としては「実効性のない制度」とばかにして考えもしない制度である。しかし、Aの話を聞いてむくむくと好奇心が湧いてきた。そこでさっそくその点を顧問弁護士の先生にぶつけてみた。「先生、財産開示制度なんですけどね、あれって実効性はどうなんですかね?」「まあそれなりに効果はあると裁判所は言っていますけど」と先生。「そりゃ〜裁判所はそう言うでしょう。この薬利きませんよなんて言って薬を売るメーカーなんてないじゃないですか」と遠慮なく言う私。「まあそれはそうなんですけれど、債務者を裁判所に呼び出してその上宣誓をさせてから開示させるわけですから、その時点で普通の人にはかなりのプレッシャーとなるわけですよ。それに宣誓をした上で嘘をつくとなると過料30万円がかけられるわけですからね」と弁護士の先生のお答え。「でもそうすると心臓に毛が生えた債務者であれば30万円で財産が守れるなら安いと腹を括ってきたら終わりということですかね」と突っ込む私。「それはそうですけど、嘘をついた場合はそれとは別に強制執行面脱罪(要するにお上の邪魔をすると罪になりますということ)となりますから、そうするとそれは犯罪ですからね、弁護士がついていたらそこまではさせないと思いますよ。一応裁判所もそういう事で実効力はあると言っているんです。」「なるほど、でも債務者はそこまで知らないでしょう?私だって今聞いて知ったわけだし・・・知らないゆえの強みって事もあるじゃないですか?」とさらに突っ込む。「ははは」と笑ってごまかす先生。でもどちらにしても今このAの案件は先生も大いに興味があるらしい。先行きどうなるか見物である。もしも効果があるなら今後利用促進という事も考えられるからである。「でもね、この制度、実は犯罪にならない抜け穴があるんですよ」と先生が呟く。「え!どうするんですか?」と聞く私。「それはですね・・・」なるほど・・・それは、ここではちょっと書けません・・・ご訪問の記録にできればクリックして下さい人気blogランキングです 同僚Aが担当している案件であるが、債務者との関係がすっかりこじれてしまい、とうとう法的対応となったものがある。相手も誠意がないので仕方がないのであるが、Aは「財産開示制度」の利用に着手した。「財産開示制度」とはその名のとおり「裁判所に申立をし、債務者の財産を開示させる制度」である。よくもまあそんな制度を引っ張り出してきたものである。私はその手の制度には極めて懐疑的な人間である。「理屈はいいけど効果あるのか」と思うからである。とことん債務者と話し合って「お互いに利益を取り合いましょう」とやる方が効果はあると信じているからである。(と言えば聞えはいいが、実は「弁護士に頼らねばならない法的手続きなんか面倒で取っていられるか」というのが正直なところである)前回、債務者の財産を差し押さえるという話を書いたが、それは「差し押さえるべき財産が判明している」という事が前提にある。わからなければそもそも差し押さえる事などできはしない。この制度はそんな時に裁判所に申し立てをして調べてもらおうという制度である。と言っても裁判所が探偵よろしく調べ上げてくれるわけではない。債務者を呼び出して、資産状況を報告させるわけである。「な〜んだ、そんなら正直に言わなければいいじゃないか」と私はすぐに思ってしまう。ちなみにこの制度では正直に申し立てないと過料30万円(まあ平たく言うと罰金みたいなもの)が科される事になっている。が、裏を返せば取られても30万円である。30万円払って財産を守れるのならば、弁護士を雇ったと考えれば安いものである。「実効性のない制度」というのが私の印象であった・・・ご訪問の記録にできればクリックして下さい人気blogランキングです 「担保に取られる」という事は、簡単に言えば「いざ借入の返済ができなくなればその物を失う」という事であり、ほとんどの人は理解している事であると思う。そしてそれは裏を返せば「担保に取られてさえいなければ大丈夫」となるのであるが、そうでない場合もある。特に保証人になっている場合、債権者は借入した本人が返済不能となれば保証人に保証債務の履行(代わりに払えという事)を求めてくる。この時に保証人が拒否すれば、債権者は保証人の資産を差し押えにくる。そしてその保証人が無担保の不動産を持っていたとしたら、債権者は当然その不動産を差し押えする事になる。つまりこういう場合はいくら担保提供していないからと言っても意味はないのである。前回取り上げた雇われ社長も元銀行員だからそんな事は重々承知している。だから自分の自宅の名義を(担保提供しているわけでもないのに)奥さんと子供の名義に変えたのである。サービサーと交渉しまとまったお金を返済して担保を外してもらい、安心し切って「あとは知らない」などとやると、せっかく担保を外させたのに今度は差押をされてしまうという事も起こりかねないのである。債権者側からすると「一粒で二度おいしい」となるわけである。(さすがに私もまだ「二度の果実」を味わった経験はないが・・・)特に友人・知人の保証人になって担保も提供してあげたなどという場合は要注意である。担保だけ外してもらっても意味はないのは上記の通りである。また、例えば保証人になったとしても、「担保提供しなければ大丈夫」などと思っているとあとでとんでもない事になる可能性もある。もしも保証人になってほしいと頼まれたなら、そういう事までよく理解しておきたいものである・・・ご訪問の記録にできればクリックして下さい人気blogランキングです 担当先K社のA社長はメガバンク出身の雇われ社長。かつて銀行に勤務していた時代にK社のK社長(当時)と意気投合。紆余曲折を経てK社の社長に招聘されたようである。そのA社長の自宅の登記簿謄本を取って調べてみたら、名義が奥さんと子供に変更されていた。時期的にみて多分取引銀行との関係が悪化し始めた頃だと思われる。もちろん、業績も悪化していたはずである。自分は会社の借入の保証人となっている。(雇われ社長といえども自分の判断で借入をするので自ら保証人となったのであろう)そうして当然の事ながら万が一の事を考える。最悪のケースは会社が倒産し、借入は返済不能となり保証人である自分が保証債務の履行を迫られる・・・銀行員ならたやすく考えられる事だ。そのままいけば自宅も差し押さえられる、とこう考えれば「せめて名義変更しておいて自宅だけでも守ろう」と考えたのであろう事は容易に想像できる。直前にやれば「故意に財産を滅失する行為」として債権者は所有権の移転の無効を求められる。(2年過ぎればそれもできなくなる)幸いな事に今日まで最悪の事態には陥っていない。我々との協議がうまくいけば再生できるだろう。せっかく社長として第2の人生を歩みはじめたのに、当時は焦っただろうななどと想像してしまう。自分の会社ではないという意識なのだろうが、そういう行為の跡を見てしまうと「社長としての器」は小さく見えてしまう。つくづくいろんな人生があるものであるなぁと感じる次第である。ご訪問の記録にできればクリックして下さい人気blogランキングです 担当先のK社は中小企業とはいえちょっとした規模の法人である。新たに担当する時はその先の資料を読み込む。この時ももともとの債権者である銀行が作成した資料に目を通していた。(資料といっても実はそんなに詳しいものではないのであるが・・・)社長のプロフィールをみて「おや?」と思った。元銀行員である。それもメガバンク。いろいろと見ていくとどうもオーナー一族との血筋はない。お会いして確認してみるとやはり雇われ社長であった。こういう事は珍しい事ではない。銀行員はいろいろな取引先と接点がある。しかもオーナーと直接の接点だ。付き合いの中で気に入られてスカウトされる事も多い。この社長もそうだと言う。「鶏口となるも牛後となるなかれ」ということわざがある。大きな組織の一駒で終わるよりも一国一城の主となる魅力は大きい。そういう誘いに乗ったようである。それはそうとして我々は担当先の資産状況は真っ先に調べる。この雇われ社長の自宅についても登記簿謄本を取って調べてみた。すると、名義が奥さんと子供になっていた。最初からであるならば資産持ちの奥さんと結婚(逆玉)したのかとも思うが、そうではない。数年前に社長個人名義から「贈与」という形で奥さんと子供に名義変更されていた。「はは〜ん」と一人納得した・・・ご訪問の記録にできればクリックして下さい人気blogランキングです そろそろ個人の債務者の方から確定申告の写しをいただくのもピークを超えた。3/17の締め切りであるが、税理士さんに任せている方などは税理士さんから申告書の写しを返していただくのが4月になる事が多く、それからご提出いただくのでだいたい今ぐらいになるのである。提出していただいた確定申告の写しは1件1件きちんと目を通す。毎年返済額の交渉を行っている方などはこれがベースとなるので重要である。しかし、毎年の事ながらこれでご本人が亡くなっているのが判明することがある。こちらも常時連絡を取っているわけではない。返済が滞りなく行われていたりすると連絡しない事も多い。したがって年に1度確実に連絡するこの時に「実は・・・」となる事が多いのである。中には申告書の表示(被相続人)などという文言でわかるケースもある。相続人の中にはご高齢の方も多いのである程度覚悟はしているのであるが、やはり相続は手続きが面倒でもありできれば避けて通りたいものである。今年も2件判明した。如何ともしがたいのでやむを得ない事である。でもまだスムーズに手続きに協力してくれるところは良いのであるが、「争族」となるケースなどは頭が痛い。あるいは相続放棄となるケースも大変である。(まあだいたい保証人がいるので助かってはいる)ご高齢の方の債権は「相続対策」のための借入であるケースが多い。資産は借入があると相続税評価上は相殺されて資産が少なくなる。バブルの頃、跳ね上がる相続税に怯えて借入を起こし収益物件を購入するというパターンが多い。今回判明したケースもそうである。当初意図した通り相続税は発生しない。しかし、当初望んでいたのとはかけ離れた結果となり、資産<負債となってしまっている。「持っている」人たちも大変だなと感じる次第である。ご訪問の記録にできればクリックして下さい人気blogランキングです またまた別部署の同僚Hとのランチタイム。(情報交換のためよく別部署の同僚とランチするのである)今は再バルクの準備で忙しいとこぼすH。Hの部署はある投資家が購入した債権の回収受託をしている。その投資家がその債権を売却するという。サービサーも(債権を購入する投資家も)購入した債権を最後まで持っているとは限らない。一定期間保有してその後別の投資化またはサービサーに債権を売るという事はよくある。理由は様々である。サブプライムショックでは外資系のファンドは手持ちの資産の売却を進め、その一環で持っていた債権を売却した。回収するだけ回収したのであとは回収に時間がかかる債権であるという場合は、売却した方が効率がいいと判断することもある。昨今は債権の値段もかなり上がってきており、それに拍車がかかっている。特に投資家側はサービサーに回収委託費を払わないといけない。委託費に見合う回収が得られなければ採算が合わないというケースもある。そんな様々な理由から再バルクされるのである。もっともやるべき事はやった後の債権ゆえにそんなに多くは回収できるはずもない。当社はそういう再バルク債権は買わないからわからないが、そういう債権でも買うサービサーは多い。よそがどんな交渉をするのかは知りようがない。果たして採算は取れているのだろうかと気になるところである。こうした話が聞けるのでよその部署の同僚とのランチも悪くない。さて今度は誰を誘おうか・・・ご訪問の記録にできればクリックして下さい人気blogランキングです 同僚Tを調停の場で怒らせた債務者側の弁護士。どのように交渉すれば良かったのか?サービサー側の考え方を説明したい。そもそも「価格決定権」を持っているのはどちらか、を考えれば相手(サービサー)の立場を考えない弁護士の主張は(内容は正しいとしても)交渉をまとめるにはだめだ。例えばあるメーカーが、いくら「最高級の品質だから値段は10,000円だ」と主張してみたところで、消費者がその類の商品に出しても良い値段が5,000円だと考えていたら、それは売れない。その場合そのメーカーは5,000円の売値をベースに製造コストと利益を考えて商品を作らないといけない。これが価格決定権を持っている相手との取引の仕方だ。先のTの事例では価格決定権を持っている債権者の考え方にあわせないといけない。ではサービサーはどう考えるのか?簡単に言えば、� 崛干枴嶌僂靴覆気ぁ廣��◆屬任�ないのなら資産を明示し、いくらなら返済できるのか示しなさい」→��「仕方がないから、それだけ返済すればあとは放棄する」と考えるのだ。もちろん、落としどころは最初から��だ。全額払えないからこそ債権を売られているわけで、そんなことは承知の上だ。でもだからと言って債権放棄を「当然すべき事」として債務者側の弁護士からは言われたくはないのだ。それをわかった上で資産状況を開示して(開示したところで困ることはないはずである)「これだけしか払えない」と言えば良いのだ。そうすれば「じゃあそれだけ頑張って払っていただいたらあとは放棄します」とサービサーから言ってもらえる。うまく過少申告すれば返済負担も重くはならないはずである。弁護士もただただ正論を振りかざすだけでなく、賢く立ち回る交渉上手にならないとサービサー相手の良い弁護士とは言えない。ではどうやったらそういう弁護士を見分けられるのだろうか?残念ながらそればかりは何とも言えない・・・ご訪問の記録にできればクリックして下さい人気blogランキングです 別部署の同僚Tとランチに行った。何やら憤っている。聞いてみたところ、前日ある債務者と調停に臨んだとの事だった。先方の弁護士からはいきなり「いくら債権放棄するのか」との主張があったと言う。それに対しTは「全額返済」を主張したところ、「何を言ってるんだ」との反応だったらしい。そして「そういうスタンス(=全額返済を求める事)」を「話し合いを始めから壊しに来ている」と批判されたらしい。「サービサーは債権を安く買っているのだから、しかるべき債権放棄に応じて債務者の再生を助けなければならない、それがサービサーの存在意義だ」と言われたらしい。御説ごもっともである。TはTであくまでも権利として「全額返済」を譲らなかったらしい。「債権放棄の前に資産状況を開示しろ」と要求したのだという。これも債権者としてはセオリー通りである。ではどっちが正しいのか、どっちもどっちなのか?私はサービサー側の人間だ。だから言うわけではないが、相手の弁護士も少し結論を急ぎすぎている。確かに言う事は正しいし、その通りなのであるが、だからと言ってそういう交渉の仕方はまずいだろうなぁと感じる。サービサーも目指すところは「最大回収」である。少しでも多く回収しようとする。だから初めから「いくら放棄する」とは言いにくい。相手がいくら払えるかもわからないうちから「○○円払えばあとは債権放棄する」とは言えないのである。ではそういうサービサーを相手に交渉する時はどうすれば良いのか?ご訪問の記録にできればクリックして下さい人気blogランキングです 一言:金融機関での勤務経験を生かしファイナンスに関する事をいろいろとお伝えしたいと思います・・・御意見・御感想・御相談お寄せください クリック募金とは、クリック募金サイト上の募金ボタンをクリックするだけで、無料で募金ができる仕組みです。あなたに代わって、スポンサー企業が寄付をするのであなたには一切お金がかかりません。 ・サービサーとは、「債権管理回収業に関する特別措置法(いわゆるサービサー法)」 に定める金融機関などの債権者から委託を受け、または譲り受けて債権の管理回収を行う専門業者です。債権の管理回収に係る様々なサービスを総合的に提供することからサービサーと呼ばれています。暴力団や事件屋の関与を排除するため、設立は法務大臣の許可制とされ、厳格な要件を満たした業者にのみ許可が与えられるものです。【許可条件】1)資本金が5億円以上の株式会社であること2)常務する取締役の1名に弁護士が含まれていること3)役員等に暴力団員等が含まれないこと 5.自己破産@体験からの進め方のヒント会社早期退職〜株トレード〜自宅任意売却〜自己破産に至る体験を基に、自己破産の進め方のヒントを語ります |
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